2019年02月17日の図書館だより

2019年02月17日(日)

 2週にわたる長い前置きとなってしまいましたが、今週こそはテーマ展示「コーナー7・9」について書きたいと思います。

まず、コーナー7「2月の本」について簡単に。毎月同じことを書いているかもしれませんが、コーナー7は皆さんに“本との出会い”を気軽に楽しんで頂ける場となることを願って作成しています。「あと1冊借りられるけど、何かないかな~」と思った方の「あと1冊」となれば有難いです。ちなみに今月は、バレンタインにちなんだ「チョコレート」の本、そのチョコレートをプレゼントするにあたってお役に立てば・・・と「ラッピング」の本、2月23日“富士山の日”にちなんだ「富士山」の本、2月9日“肉の日”にちなんだ「肉」の本などを並べています。

個人的には、今月は「雪と氷」の本がイチオシです。展示では、物理学者・中谷宇吉郎博士の “雪は天から送られた手紙である”という、私の好きな言葉をこっそり紹介させて頂きました。ふふふ。中谷博士の出身地・石川県加賀市には「中谷宇吉郎・雪の科学館」があるのですが、こちらは建築家・磯崎新氏が設計した六角形の素敵な建物です。石川県へはしょっちゅう出掛けているのですが、実はまだ行っていないので、近年中に必ず行きたいと思います。こうして色々調べていると、行きたい場所がどんどん増えてしまいますね、本当に。

 続いて、コーナー9「手と手をつなぐ。」について。今回のテーマは、数年前からずーっとやりたいなぁと温めてきたテーマです。「手と手をつなぐ」ことをポジティブに捉える温かなコーナーとなることを目指して作成しました。

 コーナー制作の舞台裏を少しだけお話すると、折しも原稿作成中に公開されていた映画「ボヘミアン・ラプソディー」、「こんな夜更けにバナナかよ」には大きなインスピレーションを受けました。他に、当館でDVDを所蔵している映画「最強のふたり」―、この作品は数年前に映画館で観たものですが、多くの考えるヒントを頂きました。また、東京都立図書館をはじめとする他図書館の「闘病記文庫(ライブラリー)」は、ブックリストを作成するにあたって参考とさせて頂きました。先週の讀賣新聞で「医療ルネサンス・図書館の力」という短期連載が掲載されていましたが、他館の取組みにはいつも頭が下がります。“下げっぱなし”では格好悪いので、図書館を利用して下さる方にとって役に立つサービスとは何か、考えていかなくてはならないと思いました。

 他にも、展示スペースに限りがあるため紹介できませんでしたが、能町みね子さんの『オカマだけどOLやってます。』を読んで、運転免許証には性別の欄がないこと、『こんな夜更けにバナナかよ』を読んで、猛特訓の末に人工呼吸器を装着して会話ができるようになった方がいること、LGBTをテーマとした絵本が数多く出版されていること等々、今回のテーマ展示を作成する途中では、多くの“気づき”を得ることができました。私は、「強い人」ではなく、「勁い人」になりたい、と思います。

 もう一点、追記を。NHK・Eテレ「あしたも晴れ!人生レシピ」の2月1日(金)「癒やしと安らぎ!本を楽しむ」の回に、津島市出身のブックディレクター・幅允孝さんが出演されていました。番組で紹介されていたのは視覚に障害がある方が利用される神戸アイセンター・ビジョンパークのライブラリーでしたが、脳梗塞の患者さんのための専門病院・千里リハビリテーション病院のライブラリーについて触れた『つかう本』を今回のコーナーで紹介しています。ほかの幅允孝さんの本は「ふじいろ文庫」で手に取って頂くことができますので、こちらも是非ご覧下さい。

さて、今回はとても長い話になってしまいましたが、この辺りで。2月は28日しかないのです。そろそろ「3月の本」の準備に取り掛からなくては。あ、書き忘れていました。コーナー9「手と手をつなぐ。」は3月末に終了予定です。次回コーナーについても、そろそろ調べ始めなくては・・・。

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