イグノーベル賞ってご存知ですか?ノーベル賞ではなく、「イグ」ノーベル賞です。
イグノーベル賞とは「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる賞で、名前から見てもわかる通りノーベル賞のパロディーです。
毎年9月または10月に「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」や風変わりな研究、社会的事件などを起こした10の個人やグループに対して授与されるのですが、なんと日本は1991年の創設以来24回、今年を含めて12年連続で受賞しているのです。
パロディー賞と侮るなかれ、イグノーベル賞も結構すごいんです。
使いどころが限られてくるものもまぁ、多いですけど……面白くてGoは本家ノーベル賞より好きかもしれないです。笑
たとえば1992年にイグノーベル医学賞を受賞した研究の内容は「足の匂いの原因となる化学物質の特定」。
他にも「緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、わさび警報装置の開発」(2011年医学賞)、「自身の話した言葉を、ほんの少し遅れて聞かせることで、その人の発話を妨害する装置「スピーチジャマー(Speech Jammer)」の発明」(2012年音響賞)、「床に置かれたバナナの皮を、人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究」(2014年物理学賞)など……
使いどころを考えれば役に立ちそうですが、なんだかちょっと笑ってしまうような内容じゃないですか?
研究だけでなく「たまごっち(1997年経済学賞)」「バウリンガル(2002年平和賞)」「カラオケ(2004年平和賞)」などの商品も受賞しています。
イグノーベル賞は賞の内容だけでなく、授賞式もまた風変りです。
授賞式はハーバード大学のサンダーズ・シアターで行われるのですが、この授賞式の講演では聴衆から笑いをとることが要求されます。講演時間は1分。
更にその時間を過ぎると進行役の少女が登場し、「もうやめて、つまんない!」と延々連呼されるという精神にくる罵倒イベントが発生します。
これも「8歳の少女に罵られるのが最も心的ダメージが大きい」という研究結果に基づいたもので、スピーチを制止するのは必ず8歳の女の子と決まっているのだとか。
そしてこの少女、贈り物で買収が可能です。贈り物だけ持ち去られることもあります。笑
他にも講演の合間にミニオペラがあったり、聴衆が紙飛行機を投げ続けたり、その紙飛行機を回収するモップ係をハーバード大学の物理学教授が毎年務めていたり(一度だけ本人のノーベル賞授賞式出席のため欠席)と、変なところを挙げていけばキリがないほど。
ちなみに今年のイグノーベル賞は、昭和伊南総合病院のドクターが「座ったまま自分で大腸内視鏡検査をやってみた」という内容で医学教育賞を受賞しました。
内視鏡検査って自分でできるんだ!?座って行うと苦痛が少なくて済むのだそうですが、絵面を想像すると非常にシュールですね。笑
先日今年の発表が終わったばかりですが、来年はどんな研究が受賞するのか?早くも楽しみにしています。
『めざせイグ・ノーベル賞傾向と対策』久我羅内/著 049ク
『1分のスピーチでも、30分のプレゼンでも、人前であがらずに話せる方法』鳥谷朝代/著 809.4ト
『最新検査のすべて』小橋隆一郎/著 492.1コ