先週、「SUKITA~刻まれたアーティストたちの一瞬~」という映画を観てきました。映画、といってもドキュメンタリー作品で、主役は写真家・鋤田正義さん。デヴィッド・ボウイの代表作「Heroes」のアルバムジャケットを撮影した写真家として有名な方です。
鋤田正義さんは、ポートレート写真の名手として知られていますが、映画を観ていてつくづく考えさせられたのは「信頼すること」の大切さ。目の前の相手をリスペクトする心なくして、このような作品を生み出すことはできないのだと思いました。鋤田さんはもちろん作品も素晴らしいのですが、今年80才になられるとは思えない子どものようにキラキラと輝く黒い瞳が何よりも素敵で印象に残りました。ところで、映画にはカンヌ映画祭でパルムドールを獲得したばかりの是枝裕和監督や、主演したリリー・フランキーさんも登場していて、少し驚きました。こうやって世界はゆるやかに繋がっているのでしょうね、きっと。
さて、少しは図書館についての話も。先々週の金曜、5月18日に放送されたNHK「ドキュメント72時間」は、松山市立図書館の移動図書館を取り上げた「島へ 山へ 走る図書館」でした。ご覧になった方も多いと思いますが、3000冊に近い本を積んで過疎化が進む山間部から、フェリーに乗って島へ渡り、本を届ける3日間に密着した内容です。私たち図書館員は、日頃多くの利用者の方に本を貸出していますが、利用者の方がどのような理由で図書館に足を運んで下さるのか、どんな本を読みたいと思っているのかを直接伺うことはできません。番組では、インタビューという形で移動図書館を利用されている方が紹介されており、自宅が火事になり大切なものを失ってしまった方、家族を亡くされた方、東日本大震災に遭われて転居して来られた方が出演されていました。放送を見て、改めて思ったのは「人には色々な事情がある」ということ。本は何のためにあるのか、そんな答えも見つからないまま図書館で働いていますが、少しでも人の気持ちに寄り添う本を紹介できれば、と思います。
最後に、今週は久しぶりにサッカー界にとって嬉しいニュースが飛び込んできました。イニエスタ選手、ヴィッセル神戸入り―。サッカーが「うまい」とはどういうことなのか、「良い選手」とはどんな選手なのかを知りたかったら、イニエスタ選手のプレーを見ることです。・・・私もヴィッセル神戸の試合、生観戦したいなぁ。
さて、来週は日本代表戦、そしてロシアW杯日本代表23人の発表もあります。現状は、かなり厳しいスケジュールですが、W杯を目標に気合を入れて仕事に励みたいと思います。