さて!先週の続きと行きましょう!
はい、「不動行光」とは!織田信長が愛した短刀で、その名の通り不動明王が彫られているのが特徴です。
信長はお酒の席でよくこの刀を自慢しており、酔っぱらうと「不動行光、九十九髪、人には五郎左御座候」と歌ったのだとか。
不動行光は、この刀のこと。
九十九髪は、九十九髪茄子茶入(つくもなすちゃいれ)という茶器のこと。
五郎左とは、信長の重臣である丹羽長秀のこと。
簡単にいうと信長のお気に入りの物と人を歌っているわけです。
現代訳すると「どうどう?この刀!この茶器!そして五郎左!どうだ!俺こんなにいいもの持ってんだぜ!」……みたいな。
しかし信長は、この自慢の刀を小姓である森蘭丸に譲ります。
ある日信長は、小姓たちを集めて問題を出します。
「不動行光の鞘にある刻の数を当ててみろ。正解した者にこの刀をやろう」
しかし蘭丸だけがずっと黙ったままだったので、理由を聞いてみると「知っていながら知らぬ振りをしていい当てることはできません」と答えました。
蘭丸は信長が厠に行く際に、この刀を渡されていたため、鞘の刻み目の数を知っていたのでした。
信長はその正直さに感心して「不動行光」を与えたといいます。
「自慢の刀をあげようだなんて信長太っ腹だなあ」と思いましたが、コレ絶対に当てられないと思って小姓たちに問題を出したに違いない。“あの”信長だし(失礼)
けれど蘭丸の信長への忠誠心がよくわかるエピソードですね。一番可愛がっていたというのも頷ける素直さ。見習いたいものです。
【※2020年10月29日追記】
なんでもこの図書館だよりがWikipediaさんの参考文献になっているらしいですね…!?
私のゆるい図書館だよりなんかよりも、よほどきっちりされた、なんでしたら私も参考にさせていただいたページがありますので、そちらをご紹介しますね!
ただ、そのままURLを貼るのは相手様にもご迷惑が掛かると思いましたので、「名刀幻想辞典 不動行光」と検索して頂けると幸いです。
この話につきましては、不動行光という刀としては結構有名な逸話(口伝?)なので、「出典の詳細は?出処は?」と言われるとちょっと困ってしまうのですが…。
家にある日本刀の本に載っているかな…。こちらでもできうる限り探してみますね。