2015年05月31日の図書館だより

2015年05月31日(日)

6月11日より図書館の1階で「小中学校の教科書展示」(海部教育事務所)が始まります。

教科書展といえば、昨年も社会科(近代史)の記述について、大きな反響をいただきました。
当館にも教科書採択に関する苦情があったほどです。

予備知識にと、今回展示追加することとなった某社の歴史教科書をめくってみました。
細かい事例はさておいて、やはり一番気になるのは随所に振られる漢字の読み(ルビ)。

  ・朝鮮半島に関する名称は、古代から現代まで概ね現地読みを優先
  ・一方、中国に関する名称については、音読みと現地読みが混用
  ・中国読みに関して、現地で通用するとは思えないルビが多い
こうした事情はわからなくもないですが、対象は小中学生ですし、まずは音読みを優先させては?と思ってしまいます。

ところで当館には、かつて日韓の学者が共通の歴史教科書作成を目指して議論した、『日韓歴史共同研究報告書:教科書小グループ篇』(210.1/ニ)があります。
内容は、読めばわかりますが、悲惨なほど平行線です。総じて、あまりの極端さ加減に適切な言葉が見つかりません。
ただ、日韓関係の難しさを知るためにも、一読をおすすめします。

今回の教科書展示にあたり、歴史教育の在り方について改めて考えさせられることとなりました。 (園)

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