本日は木蓮忌。内田百閒の忌日です。
芥川龍之介と共に夏目漱石の弟子であった内田百閒。
自殺や病気で死去というケースが多い文豪の中では、老衰という大変穏やかな形で生涯の幕を閉じた方ですね。
文豪といえばへんてこりんな逸話(真偽不明のもの含め)が数多く残っていますが、この方も他の文豪に負けず劣らずの逸話が多く、特に有名なのは漱石の鼻毛原稿保管でしょうか。
漱石は原稿に鼻毛を植える癖がありまして、それを内田百閒が貰っていいですかと家に持って帰り宝物にしていたものの、家が火事になり原稿も燃え、大変落ち込んでいたのだとか。
鼻毛を植える漱石も漱石ですけど宝物にする内田百閒もどうなんだ…
それから鉄道マニアだったらしく目の中に電車を走らせても痛くないとかなんとか。
相当キてますねこれは。(褒めている)
文豪にはなぜか猫好きが多く、もちろん内田百閒も猫派。
しかも中々に重症で、最初にノラという猫を飼っていましたが、失踪。次にクルツという猫を飼いましたがこちらは病死という、猫好きなのに猫運がないという大変可哀想な人で…。
友人からの電話口で泣き崩れたり、食事も口にしなかったりそれはもう大変な落ち込みようだったそうです。
この猫ちゃんたちについて書かれた書籍もありまして、図書館では『内田百間全集 第8巻』(918.6/ウ) (閉架) にノラについての話が収録されています。クルツについての話もあるのですが、残念ながらこの図書館にはありませんでした…。ぜひ他の図書館さんでご覧になって下さい。
特に猫好きは読んで損はないと思いますよ!