ドナルド・キーンさんが2019年2月24日に96歳で亡くなられました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
追悼といたしまして、現在「手と手をつなぐ。」展開中のコーナー9に、ドナルド・キーンさんの著作を集めました。
3月下旬まで展開予定です。どうぞご覧ください。
ドナルド・キーン
1922年、米ニューヨーク生まれ。コロンビア大学在学中に『源氏物語』と出会う。日米開戦に伴い42年、米海軍日本語学校に入学。語学将校としてハワイや沖縄で従軍。日本兵の日記の翻訳や捕虜の通訳をし、沖縄の前線ではスピーカーで日本兵に投降を呼びかけた。
戦後、ハーバード大学、ケンブリッジ大学で日本文学の研究を続け、53年から京都大学に入学。英訳『日本文学選集』を刊行し、日本文学の海外紹介のきっかけをつくった。谷崎潤一郎や川端康成、安部公房、三島由紀夫、司馬遼太郎ら日本を代表する作家らと交流。特に、三島とは親交が深く、自決に際しては「私は無二の親友を失い、世界は偉大な作家を失った」と悼んだ。
『徒然草』、『おくのほそ道』などの古典だけではなく、近現代作家の作品まで幅広く英訳。『明治天皇』、『正岡子規』、『石川啄木』などの評伝にも力を注いだほか、能狂言を題材とした著作によって日本人の精神を浮かび上がらせてきた。2008年に文化勲章を受章。
日米を往復していたが、2011年の東日本大震災後に「今こそ、日本人とともに生きたい」と日本への永住を決め、日本国籍を取得した。2月24日、96歳で死去。