コーナー9「家モノがたり」

モノがたり

家モノがたり
家モノがたり
家モノがたり

コロナ禍が長引く中で、自宅で家族と過ごす時間が増えた方も多いかと思います。私たち一人一人には、それぞれの家族のかたちがあり、またそれぞれの家族にはそれぞれの物語があります。今回のコーナー「家モノがたり」では、「家族」についての「物語」が詰まった本を集めてみました。親子、きょうだい、パートナーだけでなく、ペットやシェアハウスの同居人など、さまざまな家族のかたちが描かれている本や、家族とは何かを考えるきっかけとなる本を並べています。図書館の本を読んで、もっとも身近な存在といえる「家族」について、見つめ直してみませんか?


『461個の弁当は、親父と息子の男の約束』

渡辺俊美       


お父さんも、 お父さんの弁当も大好きです。

「パパの弁当がいい」という息子のひと言から始まったシングルファーザーのお弁当ライフを描いたエッセイ。2020年に映画化されました。




『ヴィオラ母さん』

ヤマザキマリ       

大人になった私が未婚で産んだ赤ん坊を抱えて帰った時も、一瞬の驚きの後に「孫の代までは私の責任だ!」と満面の笑みで言い切ったリョウコ。

まだまだ女性が職業を持つことが難しかった時代に、ヴィオラ奏者という職業を選び、自分の選んだ道を突き進んだ母・リョウコの人生とは?



『青空と逃げる』

辻村深月       


母さんが、知らない場所でも勇気を出してそこへ入っていけたのは、力のおかげ。 ―力がいなかったら、お母さんにはとてもそんなことはできなかった。

平和に暮らしていたはずの三人家族は、深夜の交通事故をきっかけに転落の道へー。日常を奪われた母と息子は、東京を離れることを決意。



『生きるとか死ぬとか父親とか』

ジェーン・スー       

「格好いいだろう?ママは」 誇らしげに父が言う。 「知ってるよ」 私が答える。 私たちはくすくす笑いながら母を偲んだ

今年ドラマ化された話題のエッセイ。母を亡くし、父と私の2人だけとなってから20年。父と娘の近くて遠い関係が温かい文章で綴られます。




『たゆたえども沈まず』

原田マハ       

―兄さん。 いつかあなたの展覧会を開こう。大きな美術館で、世界中からあなたの絵を見るために、たくさんの人が押し寄せるはずだ。

19世紀末のパリ。売れない画家のゴッホは画商の弟・テオのもとに転がりこむ。兄の才能を信じ、支え続ける弟。2人の元をある日本人が訪れて……。


『月のぶどう』

寺地はるな       

「俺はずっと、お前と比べられてきた。 お前がおらんかったら、こんなことは言われずに済んだやろうと思うようなことも、他人からいっぱい言われてきた。けどもし今お前がここにおらんかったら、どんだけ心細いやろうかと思う」

ワイナリーを経営してきた母が突然他界した。逃げることばかり考えていた歩だったが、母の死をきっかけに双子の姉・光実と後を継ぐことを決意。


『亜由未が教えてくれたこと』

坂川裕野       

亜由未と二十年、一つ屋根の下に暮らしてきた。 しかし、もしかすると、亜由未はそうは思っていなかったかもしれない。「暮らす」ということと、「ただ一緒にいる」というのは全然違う。

著者は「相模原事件」を受け、重い障がいを持つ妹にカメラを向けてTV番組を作ったディレクター。妹と家族の24年間の暮らしを包み隠さず綴った一冊。


『96歳の姉が、93歳の妹に看取られ大往生』

松谷天星丸       

もちろん、大変な日はございましたよ。でも、それを含めて、私にとっては、幸せな時間だったのです。

93歳の脳神経医学者である著者は、さまざまな事情により、女性初の代議士だった4歳上の姉とともに暮らし、「老老介護」を担うことになる。



『ふたりぐらし』

桜木紫乃       

「年を取れば、 どんな諍いも娯楽になっちゃうんだから」

元映写技師の夫・信好と看護師の妻・紗弓。北海道の片隅で、ただ静かに暮らす夫婦を主人公にした連作短編集。


『僕が夫に出会うまで』

七崎良輔       

亮介君は「緊張する……」と言いながら、さっきよりも少し大きな声で、 「大好きです。ずっと一緒にいたいから、よろしくお願いします」 たくさんの観衆が見守る中、僕は小さなダイヤが埋め込まれたティファニーの婚約指輪を受け取った。

2015年、築地本願寺ではじめての「同性結婚式」を挙げた著者。「夫夫(ふうふ)」となったパートナーと出会うまでの激動の半生が語られます。


『かわいい夫』

山崎ナオコーラ       

私は昔、結婚というのは、自分にぴったりの、世界で唯一の人を探し出してするものだと思っていた。 しかし、今はそう思わない。たまたま側にいる人を、自分がどこまで愛せるかだ。

私の方が稼ぎがある。本棚の組み立て、料理の手際、オセロの腕前、すべて私が勝っている。でも、とってもかわいい夫……「愛夫家」エッセイです。


『感謝離 ずっと一緒に』

河崎啓一       

寂しさを吹っ切らねばなるまい。 妻の肌を守り、身を飾った衣装たちに「ありがとう」と、一つ一つ頭を下げながら袋に移していった。「感謝離」という表現が頭をよぎった。 うん、こいつはいい。

62年間連れ添った最愛の妻の遺品を手放す心境を綴った新聞への投稿がきっかけとなり、出版されて話題となった本。



『ま・ごはん』

片岡護       

2014年12月に初孫が誕生しました。 女の子の双子なのですが、それはもうかわいくて、この子たちのためにおいしい離乳食を作ってあげたい、と思いました。

イタリアンの人気シェフ・片岡護さんによる離乳食&幼児食レシピ。「グルマン世界料理本大賞」2018のイタリア料理部門グランプリ受賞本。


『エミリの小さな包丁』

森沢明夫       

「エミリ、なかなか言うようになったな」 餌を付け替えたおじいちゃんが、苦笑した。 「わたし、変わった?」(中略) 変わったんだよ、わたし。 おじいちゃんのおかげだよ

信じていた恋人に裏切られ、仕事もお金も住むところも失ったエミリが身を寄せたのは、寡黙だけれども、温かい祖父が暮らす家だった。


『マジカルグランマ』

柚木麻子       

「あなたはそのままでいいし、 きっとその気になればなんでもできるし、なんにでもなれるわよ」

74歳の正子は、若い頃に女優デビューしたものの結婚して引退。長年、夫とは家庭内別居状態だったが、シニア俳優として再デビューすると……。


『無花果の実のなるころに』

西條奈加       

「げ……お蔦さん……」 歳のわりには目尻のきりりと上がった目が、 じろりとにらんだ。 「何だい、望、そのしみったれた顔は」

父の転勤に同行せず、神楽坂の祖母“お蔦さん”と暮らすことを決めた中学2年生の望。元・芸者の祖母は、何故か人と「事件」を引き寄せて……。



『荻窪シェアハウス小助川』

小路幸也       

でも、毎日をここに住んでいる皆で気持ち良く過ごそう、っていう目標はある。それは入居のときに相良さんにきちんと説明されてる。いい雰囲気を作るために皆で少しでいいから努力をしてもらう。そういう家なんだって。

地元の人々を診てきた医院が閉院し、リノベーションした「シェアハウス小助川」。暮らすことになったのは年齢も職業もバラバラの男女6人。


『大家さんと僕』

矢部太郎       

いいひと 見つかりました? いやあ まだまだ じゃあまだ お二階に居てくださるのね はい・・・ また来年もこうして一緒に桜見たいですね

シリーズ累計120万部を突破したベストセラー本。1階には大家さん、2階には芸人の僕。 一風変わった“ふたり暮らし”が綴られます。




『猫も老人も、役立たずでけっこう』

養老孟司       

まるを見ていると、働く気が失せますよ。 「なんで俺だけ働かなきゃならんのだ」って。

食う寝る遊ぶ、ときどき邪魔。それでいいじゃないですかー。いつもネコろんでいる愛猫・まるの目を通じて、養老センセイが人間社会を斬る?


『とにかく散歩いたしましょう』

小川洋子       

その時々の不安を私が打ち明けると、じっと耳を傾け、「ひとまず心配事は脇に置いて、とにかく散歩いたしましょう。散歩が一番です」とでも言うかのように、魅力的な匂いの隠れた次の茂みを目指してグイとリードを引っ張った。

年間にわたって新聞に連載されたエッセイをまとめた一冊。作中では愛犬・ラブがしばしば登場。いっしょに散歩している気分になれます。


『かぞくってなあに?』

フェリシティ・ブルックス       

きみの かぞくは いま、ものすごく なかよしって わけじゃ ないかも しれない。 それでも きみに とって、かぞくって いうのは とくべつな もの。

「かぞくってどんなもの?」、「かぞくってなんのためにあるの?」・・・国籍も性別も構成も色々な「現代の家族のかたち」が描かれている絵本。


『浅田家』

浅田政志       

この写真集は、ひたすら協力してくれた家族と、力を貸してくださった皆さんへのお礼でもあります。そして、家族と、そこからつながっていくすべての方に見ていただきたいと思います。どこまでも広く。

父、母、兄、写真家本人がラーメン屋や消防士などに扮する、昨年映画化された写真集。クスリと笑えて、「家族」とは何かを考えさせられます。


『世界の家族/家族の世界』

椎名誠       

家族全員揃って食事をするということがどのくらい大切な時間か、ということは、そういうことができなくなってはじめてわかる。

懸命に生き、それぞれの姿で営みを続けている世界の家族。人気作家・椎名誠さんが世界を旅して出会った人、家族を綴ったフォトエッセイ。


『なんで家族を続けるの?』

内田也哉子・中野信子       

とにかく、当時の私の願いはただひとつ。 目立つことなく、落ち着いた両親のいる穏やかな家族の子であることだった。

樹木希林と内田裕也の娘として生まれ、家族団欒を知らずに育った内田也哉子さんと、気鋭の脳科学者・中野信子さんが「家族」を語り尽くす!

ページの最初に戻る