コーナー8「パリ×オリ×パラ」

2024年はパリオリンピック・パラリンピック開催!

「パリ×オリ×パラ」掲示 「パリ×オリ×パラ」本棚

パリでオリンピックが開かれるのは、1924年以来100年ぶりとなります。

100年前のパリオリンピックで実施されたのは19競技、126種目。世界44カ国・地域の3089人が参加しましたが、そのうち女子選手は5%にも満たない135人。日本代表に女性は1人もいませんでした。32競技329種目が行われる今大会は、オリンピック史上初めて男女の人数が5250人と同数になることが話題を集めています。

また、100年前には開催されていなかったパラリンピックでは、3年前の東京パラリンピック以降、日本代表の世代交代が進み、世界で活躍する若手選手の活躍が期待されています。

さて、今回のオリンピックのコンセプトは「スポーツを街中に」。ベルサイユ宮殿やコンコルド広場など、世界的な観光名所でも競技が行われます。オリンピック・パラリンピック中継では、各競技の会場にも是非ご注目下さい。パリやフランスへの関心も一気に高まりそうですね。

今回のコーナー展示では、オリンピック、パラリンピック、そして開催国フランスやパリに関する本を集めました。競技に関する本やオリンピックの歴史をはじめ、オリンピック・パラリンピックを題材とした小説や国旗や国歌についてのガイドなど、さまざまなジャンルの本をご紹介します。図書館の本を通じて、オリンピック・パラリンピックを楽しみ、パリ、そしてフランスを旅してみませんか?

歴史から 五輪を読む。

創る

『朱の記憶 亀倉雄策伝』表紙

『朱の記憶 亀倉雄策伝 馬場 マコト/著 日経BP社

「決まったな」
その声に応えるように、勝見が腕組みしながら、ゆっくり大きくうなずく。
一九六四年の日本で開催される悲願の東京オリンピック。そこに込められた人々の思いを すべて凝縮した奇跡のエンブレム。

燦然と輝く朱色の太陽と金一色の五輪、そして「TOKYO 1964」の力強い文字。今も多くの人の記憶に残る、1964年の東京オリンピックで使われたエンブレムの作者・亀倉雄策の自伝。戦前・戦中・戦後、激動の昭和を駆け抜けた稀代のデザイナーの生涯と昭和史を描きます。

甦る

『SAYONARA国立競技場 56年の軌跡』表紙

『SAYONARA国立競技場 56年の軌跡 日本スポーツ振興センター/編

国境を超え、宗教を超えました、美しい姿があります。このような美しい姿を、見たことはありません。まことに和気あいあい、呉越同舟。和やかな風景であります

1964年 東京オリンピック・閉会式の実況より

1958年3月に誕生し、2014年5月に幕を降ろした旧国立競技場56年の歴史を網羅した公式メモリアルブック。1964年の東京オリンピックはもちろん、サッカーやラグビー、陸上競技など“国立”が舞台となった名勝負を、豊富な写真とエピソードで振り返ります。スポーツに夢中になった、あの日の記憶が甦る一冊です。

願う

『幻のオリンピック 戦争とアスリートの知られざる闘い NHKスペシャル取材班/著 小学館

「たくさんの教え子を戦争で失った。沖縄では慶応の児島、インパールでは立教の新井、硫黄島で亡くなったのは河石……みんな死んでしまった。私はそれを止めることもできず、ただただ無力さを感じた。」

1940(昭和15)年に、東京で開かれる予定だったオリンピックは戦争のため中止となり、活躍が期待された選手たちの多くが戦地へと駆り出され、命を落としました。スポーツとは何か、平和とは何か、この本をきっかけに考えてみませんか?この先の未来もオリンピックが 「平和の祭典」であることを心から願います。

遡る

『報道記録東京2020オリンピック・パラリンピック』 読売新聞取材班/編 読売新聞東京本社

生まれ育った町で二回のオリンピックが開かれるとは、よほどの幸運であろう。
しかし、その二度にわたって観戦する機会がなかったのは、よほどの不運とも思える。

作家・浅田 次郎の特別寄稿より

3年前の夏、コロナ禍で開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック」の招致から閉会までの16年間、7万本以上の新聞記事を整理した報道記録です。史上初めて1年延期、無観客となった大会は、私たちに何を残したのか。3年という月日が経とうとする現在、冷静に遡ってみませんか?

小説やエッセイで 五輪を読む。

伝える

『彼方のゴールド』

『彼方のゴールド』 大崎 梢/著 文藝春秋

「負けを卑下することなく、勝って輝くものに素直に称賛をおくりたいです。眩しいものは眩しい。多くの人の心を照らす。その尊さを美しい形で留めておけるのは雑誌ですし」

老舗出版社「千石社」で働く入社3年目の明日香は、営業部からスポーツ総合誌『Gold』編集部への異動を命じられる。勝ち負けにこだわるスポーツへの苦手意識が強い明日香だが、取材で出会った選手たちのふとした言葉や、プロ意識の高いライターやカメラマンに刺激を受け、スポーツの魅力とそれを「伝える」仕事の面白さを見つけていきます。

届ける

『空の声』表紙

『空の声』 堂場 瞬一/著 文藝春秋

「和田さんの声は、ちゃんと空を伝わって日本にまで届いています。空の声を、皆が聴いたんです。間違いありません。僕が保証します」
「そうか……そうだよな」
和田は静かに目を閉じた。

戦後、日本がはじめて参加した夏季オリンピック・ヘルシンキ大会に派遣されたアナウンサー・和田信賢は、戦前の相撲中継から戦後の演芸番組まで幅広い分野で活躍。太平洋戦争では開戦の臨時ニュースと終戦の玉音放送の両方に携わり、“不世出の天才”と呼ばれていました。しかし、ヘルシンキへ出発する以前から、和田は体調不良に苦しんでいて……。

語る

『1964年の東京オリンピック』 石井 正己/編

やはりオリンピックは、やってみてよかったようだ。富士山に登るのと同じで、一度は、やってみるべきだろう。ただし二度やるのはバカだ。

菊村 到「やってみてよかった」より

1964年の東京オリンピックは“筆のオリンピック”といわれた程、当時の文壇をリードした作家たちが筆を揮った観戦記が多く残されています。三島由紀夫、大江健三郎、松本清張、有吉佐和子、星新一ら、昭和を代表する作家たちは、東京オリンピックをどう見つめたのでしょうか?個性あふれる文章からは、当時の空気も伝わってきます。

掴む

『オリンピックへ行こう!』 真保 裕一/著 講談社

四年後があると安易に考えることはできなかった。 今日のこのレースにすべてを賭ける。 どこで仕掛けるかは、選手生命を左右する決断となる。

卓球・競歩・ブラインドサッカーという3つの競技を題材に、オリンピックへの出場を掴むため、ひたむきに努力を重ねるアスリートの姿を描く連作小説集。選手たちの熱い息遣いが伝わるような、臨場感あふれる描写に引き込まれます。

パラリンピックを読む。

始める

『パラリンピックは世界をかえる ルートヴィヒ・グットマンの物語』表紙

『パラリンピックは世界をかえる ルートヴィヒ・グットマンの物語 ローリー・アレクサンダー/作 アラン・ドラモンド/絵 福音館書店

「わたしの医者としての経歴のなかで、なにかいいことをしたといえば、障がい者のリハビリにスポーツを導入したことでしょう」

パラリンピックの父と呼ばれるルートヴィヒ・グットマンの生涯を描いた物語。神経外科医のグットマンは、これまで諦められてきた脊髄損傷の患者の治療とリハビリを開始。ある日、患者たちが車いすで庭を走り回っているのを見たグットマンは、治療にスポーツを取り入れようと閃きます。

跳ぶ

『タラント』表紙

『タラント』 角田 光代/著 中央公論新社

失ったものを数えるのではなくて、残されたものを最大限に生かしなさいとぼくの先生は言っている、以前と同じじゃない、今しかできない方法であなたは走れるし、跳べる。汗だくのその人は言いやめない。

香川県出身で現在は東京で夫と暮らすみのりは、故郷の祖父・清美宛にパラリンピック高跳びの選手・涼花から定期的に手紙が届いていることを知ります。甥・陸とともにその謎を探るうちに、みのりは戦争で片足を失い、義足をつけて暮らす清美の過去と強い思いを知ることになります。戦争とパラスポーツを背景に、現代を生きる女性を鮮やかに描く小説。

挑む

『アナザー1964 パラリンピック序章稲泉 連/著

「あのわずかな間に『やってみようかな』という気持ちになったのは、やっぱりパラリンピックに行ったから。あのとき、私は自分を試したいと本当に思ったの」

1964年の東京パラリンピックの開催が正式決定したのは、わずか1年前のこと。当時、「障がい者」は療養所や病院でひっそりと暮らしており、パラリンピック出場をもちかけられても「恥ずかしい」と答えた人も多かったといいます。突如「選手」として大会を目指すことになった彼ら、彼女らと、パラリンピック開催に向けて奮闘した人々を描いた熱いノンフィクション。

泳ぐ

『闇を泳ぐ 全盲スイマー、自分を超えて世界に挑む。 木村 敬一/著

出場するだけで満足だった初めてのパラリンピックで、僕は、メダリストになることの価値を痛感した。出るだけでは、「武器」じゃないんだ。

2021年に開催された東京パラリンピックで金メダルを獲得し、表彰台で号泣した木村敬一選手は、物心つく前に病気のため全盲となったものの、母親の勧めで習い始めた水泳を「武器」として自らの人生を切り開いてきました。6歳から盲学校で寮生活を送り、12歳で上京、27歳でアメリカへと渡り、トップスイマーへと駆け上がった半生が生き生きと語られます。パリ・パラリンピックが楽しみになる一冊。

パリを読む。

巡る

『ジス・イズ・パリ』表紙

『ジス・イズ・パリ』 ミロスラフ・サセック/著

パリでは 人々と 同じように、
ネコも のんびり 暮らしています。

プラハに生まれ、若き日にパリで芸術を学んだサセックによる、1959年に出版されたロングセラー絵本です。パリの有名な観光名所だけでなく、のんびりと暮らすネコや、ビストロや市場でパリの生活を楽しむ人たちの姿が温かく描かれています。サセックと一緒にパリを巡ってみませんか?

生きる

『ねむれ巴里』表紙

『ねむれ巴里』 金子 光晴/著 中央公論新社

―そんな手に乗ってやらないぞ。と、しみったれたエトランジェの一人の僕は、パリを横目でにらむことを早くも身につけた。足をふみ入れた最初から、パリが僕をよくおもわないで、早速追出しにかかっていることがうすうすわかっていたからであろう。

愛知県海東郡越治村(現在の津島市)出身の詩人・金子光晴は、昭和初期に妻の三千代を追ってパリへと渡り、住み着く。“花の都”と称されるパリに2年間滞在したとはいえ、そこでの暮らしは極貧であり、どん底の生活だった。金子は社会の底辺を這いまわるように、強かに生き抜く。

育む

『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 辻 仁成/著 マガジンハウス

「フランスは好きか?」 「好きだよ。いい国だと思う」「それは良かったな。お前にとっては生まれ故郷だから、好きなら最高じゃん」 「うん。複雑だけど、仕方ないね。どこに生まれるのか選べる人間はいないんだから」

パリ在住の作家でミュージシャンの著者は50代半ばで離婚し、10歳の息子と暮らすシングルファザーとなる。「おやじのぼくに母親の代わりなどできるわけもなかったけれど、ぼくに唯一できることが料理だった」という著者は、毎日台所に立って料理を作り、息子と向き合って食事をすることで、新しい家族のカタチを作っていく。父と子の8年間を綴った手記。

描く

『たゆたえども沈まず』 原田 マハ/著 幻冬舎

一八九〇年一月十一日 パリ
親愛なるテオドルス
あなたの兄さんの絵を、いずれ必ず世界が認める日が訪れます。
強くなってください。私もこの街で、ジュウキチとともに闘っています。
あらん限りの友情を込めて
ハヤシ タダマサ

1886年のパリを舞台にした小説。流暢なフランス語を操り、浮世絵を売りさばく日本人画商・林忠正と助手・加納重吉は、グーピル商会の画商・テオと、“画家”になることを決心したテオの兄・フィンセントと出会う。

フランスを読む。

暮らす

『フランスの小さくて温かな暮らし365日』 トリコロル・パリ(荻野 雅代・桜井 道子)/著

フランスに住む人たちの何気ない習慣、
暮らしに欠かせない食べ物、ふと幸せを感じるひととき・・・
そのいとなみが、遠く離れた日本に暮らす私たちに、
日々を心地よく丁寧に過ごすために
大切なことを教えてくれます。

フランスに暮らす日本人ふたり組ユニットによるエッセイ。1年365日が、1日1ページ、日めくりカレンダーのように綴られているので、どのページから読んでも自由に楽しむことができます。フランスのさまざまな伝統や習慣を知ることができるだけでなく、人生を楽しむヒントもたっぷり詰まっています。

学ぶ

『池上彰の世界の見方 フランス うるわしの国の栄光と苦悩 池上 彰/著

フランスについて語り始めると、このようになかなか止まらなくなってしまいます。それだけ魅力あふれる国なのです。

ルーブル美術館やエッフェル塔で知られ、世界で最も多くの観光客を惹きつける国・フランスとは、実際はどんな国なのでしょう?この本では、デモやストライキとフランス革命の歴史的な繋がりや、現在のフランスが抱えている課題について詳しく解説。池上さんが、中学・高校で行った授業を元にした本なので、やさしい言葉でフランスについて深く学ぶことができます。

教わる

『料理大好き小学生がフランスの台所で教わったこと』 ケイタ/著

フランス料理を食べるときにいちばん大切なことは、話しながらゆっくり食べ、料理も会話も楽しむことだと、ジェレミーはいった。

長野県の小さな村の農家で育った少年・ケイタは1歳から包丁を握るほどの料理好き。本場のフランス料理に憧れるケイタは、農業ボランティアに来てくれたフランス人の友人たちを訪ね、小学5年生でフランスへ料理修行の旅へ出発!クロックムッシュやポトフ、レモンパイなど、訪れた家庭で教わったフランス料理のレシピも掲載されているので、本場のフランス料理に挑戦してみるのもオススメ。

旅する

『ナポレオン街道 可愛い皇帝との旅 伊集院 静/著

ナポレオンの街道を歩いてきて、わかったことは街道が人間の作ったこの上なく愛しいものではないかということだった。

1815年、地中海の流刑地エルバ島を脱出したナポレオン・ボナパルトがサン・ジュアン湾に上陸して、再び天下を取るためにパリを目指して進軍した「ナポレオン街道」。旅をこよなく愛した作家・伊集院静さんが街道を実際に辿り、貧しい家庭から皇帝へと駆け上がった“英雄”の数奇な生涯を辿り、「戦争と平和」の本質に迫ります。27年前に雑誌で連載された幻の旅エッセイでしたが、昨年単行本化されました。

世界を読む。

繋ぐ

『世界の「こんにちは」』 東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所/監修

自分たちの使う言語であいさつしてもらえるというのは、なんだかうれしく感じるものです。

『手話でつながる世界のあいさつ』 全国手話通訳問題研究会/作 見杉 宗則/絵

日本を訪れる世界中の聞こえない人と「あいさつ」の手話をきっかけに会話が広がっていくことを期待しています。

世界中の「こんにちは」はどう書かれ、どう言うのか、そして手話でどう表すのかを集めた2冊。「あいさつ」は人と人を繋ぐ世界共通の言葉。この2冊で紹介されている「あいさつ」で気持ちを伝えてみませんか?

比べる

『60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳 関 眞興/編・著

60年前の地図と現代の地図を比較してみた。世界は変化している、歴史は動いているという言葉が実感される。

1962年に発行された世界地図と、現在の世界地図を実際に並べて比べることで、世界の変化を体感できる一冊です。国名・国境の変化にまつわる事件や戦争、領土問題についても詳しく解説。さらに、地図には現れない変化に触れるコラムも掲載されており、この60年間で世界がどのような歴史を辿ったのかを地図で振り返ることができます。

聴く

『オリンピックでよく見るよく聴く国旗と国歌』 吹浦 忠正・新藤 昌子/著

国旗・国歌は国際理解の第一歩、さらに学び、歌い、広めたいと念じております。

1964年の東京オリンピックをはじめ、札幌・長野を含む日本で開催した全てのオリンピックで国旗監修を担当し、2019年の大河ドラマ「いだてん」では「吹浦青年」として登場した旗章学者・吹浦忠正さんと、およそ100か国もの国歌をその国の言葉で歌えるオペラ歌手・新藤昌子さんがタッグを組んだ、国旗と国歌の解説書。新藤さんによる国歌は付属のCDで聴くことができます♪

作る

『食文化・郷土料理がわかる世界の国旗弁当』 青木 ゆり子/著

日本には日の丸弁当があるのだから、海外の国旗もお弁当になるはず。どうせなら世界中の「国旗弁当」を作ってみよう!

世界220カ国の国旗のデザインをお弁当にしてしまう、という楽しい試みのレシピ本。おかずには、各国の食材や郷土料理を取り入れるだけでなく、その国を象徴するシンガポールのマーライオンや、中国のパンダなどのキャラクターも取り入れられています。作って楽しく、食べて美味しく、さらに世界の食文化と郷土料理も学べる一冊です。

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