今年も寒い冬がやって来ました。
図書館では、「あったま~る文庫」と題して、この季節を心身ともに健やかに暮らすヒントが詰まった本をご紹介します。
寒い日は、おうちで「あったま~る」本を読んで、ゆったり、のんびりと過ごしてみませんか?
体が あったま~る。
うーん、毎日寒いですね。ブルブル……。
まずは、「体があったま~る」ヒントがぎゅっと詰まった本をいくつかご紹介します。
本の力で、冬をあたたかく乗り切りましょう。
『世界のひつじめぐり』 本出 ますみ 監修
寒い冬に欠かせないアイテムといえばセーターやカーディガンなどのウール製品。ウールは、羊からとれる天然素材です。もこもこ、ふんわりとした肌触りは、すべて羊からの贈り物。この本では、そんな羊たちが世界中から大集合。角がクルクルしていたり、顔に模様があったり、厳しい岩場にキリリと立っていたり……と羊の魅力が余すところなく詰まっています。「モフモフ」だけではない、羊たちの魅力に触れて「あったま~る」のは、いかが?
『焚き火の作法』 寒川 一
「焚き火って、とりあえず薪に火を点ければいいんでしょ?」と思っているアナタ。
……それでは、火が点く前に日が沈んで暗くなってしまったり、やっと火が点いてもすぐ消えてしまったり、焚き火料理が何故か黒焦げになったり……と、残念な結果を招くことになりますよ~。そんなアナタに、焚き火の作法、そして焚き火の哲学を語りかけるように教えてくれるのが、この本。
安全でスマートに、そして心に残る焚き火で「あったま~る」時間をお楽しみ下さい。
『銭湯図解』 塩谷 歩波
大学卒業後、設計事務所で懸命に働いていた著者でしたが、体調を崩して休職することになってしまいます。そんな時、著者を救ってくれたのが、友人の勧めで通い始めた銭湯でした。
銭湯の魅力を、もっと色々な人に広めたい……そんなお湯にも負けない熱い思いで、「銭湯図解」をSNSに投稿すると、銭湯でくつろぐ人々ののびやかな表情や、建築の知識を取り入れたイラストが話題に。皆さんもお湯に浸かっているような、ゆったりとした気分でお楽しみください。体だけでなく心も「あったま~る」はず。
心が あったま~る。
季節は冬、窓の外は木枯らし。こんな時は、暖かい部屋で読書が一番。
「心があったま~る」物語をご紹介します。読めば、きっと心がポカポカになるはず。
『さざなみのよる』 木皿 泉
物語は、主人公のナスミが43歳の若さで亡くなる場面から始まります。生前のナスミが残した言葉や行動が、ナスミと関わった人々の心に、「さざなみ」のように静かに広がっていく過程が丁寧に描かれていきます。いつか失われていくからこそ、何気ない日常は大切なもの。当たり前の暮らしの中に「あったま~る」ものがあることを優しく教えてくれる作品です。
「もどれるよ」
ナスミはこともなげに、そう言った。
「もどりたいと思った瞬間、人はもどれるんだよ」
『あずかりやさん』 大山 淳子
東京・下町の「明日町こんぺいとう商店街」のはじっこにある「あずかりや」は、一日百円で何でも預かってくれる不思議なお店。目は見えないけれど、物だけではなく、人の思いも預かってくれる店主・桐島透と、さまざまなものを持ち込んでくる客たち、そして預けられるモノとの繋がりを描く「あったま~る」物語です。
あるかないかの可能性のために、店主はここで待っています。あずかりやさんは、待つのが仕事ですからね。おそらくここは、みんなの帰る場所です。
『スイート・ホーム』 原田 マハ
阪神間の山の手の住宅地にある洋菓子店「スイート・ホーム」を舞台に、パティシエ一家と、この街に住む人たちとの温かな触れ合いが描かれる連作短編集。さりげない日常の中にある幸せを、そっと掬い取った「あったま~る」作品です。甘いスイーツのような読後感をお楽しみください。
「冬の寒い日、一緒にストーブを囲める家族がいる…………って、それ以上の幸せなんてあらへんよ。きっと、由利香ちゃんもおんなじ気持ちやと思う」
食べて あったま~る。
寒い冬は「食べてあったま~る」のが一番。
ハフハフ、ずるずる、フーフー……、アツアツの湯気が何よりのごちそうです。
おなかから温めて、元気に過ごしましょう。
『ずるずる、ラーメン』 椎名 誠 ほか
寒いのが苦手な人でも、真冬にラーメンをずるずる食べるのは、きっとみんな大好きのはず。
この本は、ラーメンにまつわるエピソードを集めたエッセイ集です。旅先での貴重な体験談も、家族との忘れられない思い出話も、ラーメンにまつわるエピソードとなると、ぐっと身近で「あったま~る」ものに感じます。ただし……夜中に読むのはオススメしません。
『風邪とごはん ひく前 ひいた ひいた後』 渡辺 有子
日々の体調管理に気を配っていても、「……ん、これはマズイかも」と、風邪をひいた気配を感じることが、冬には一度や二度はあるはず。そんな時にオススメしたいのが、この一冊。
自分のために作りたい、そして大切な誰かのために作ってあげたい「あったま~る」ごはんがたくさん紹介されています。ごはんを食べた後は、ゆっくり休んで、体をいたわってください。きっと、体が「おやすみしようね」とあなたに教えてくれているのですから。
『飛田和緒の郷土汁』 飛田 和緒
日本全国に伝わる郷土料理のうち、汁ものだけを集めた一冊。
「三平汁」や「まめぶ汁」などの一度は聞いたことのある汁ものから、「けの汁」や「泥亀汁」、「だぶ」など、どんな具が入っているのか想像できない汁ものまで、47都道府県の郷土汁が紹介されています。また、身近で手に入る材料で作ることができるレシピも掲載されているので、実際に作って「あったま~る」こともできますよ。郷土汁で日本一周なんて、どうでしょう?