人生100年をたどる。あなたは今、どのあたり?
厚生労働省によると、令和2年(2020年)の日本人の平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳となっており、過去最高を更新しました。100歳まで生きる人が珍しくない、「人生100年時代」が間もなくやって来ると予想されています。
そこで、今回のコーナー展示では「人生100年を読む。」と題して、0歳から100歳を超える人たちが登場する本を年代ごとに集めてみました。100年続く人生が豊かなものとなりますように。そして、あなたの100年に本があたたかく寄り添ってくれることを願います。
0歳
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6歳
『小さいわたし』 益田 ミリ
入学式、プール、ピアノ教室、たからもの……こども時代の日常を、こどもの目線で描くエッセイ。「キミのおかげで、おとなになっても、ときどき幸せな気持ちになれるんだよ」と“大きくなったわたし”が“小さいわたし”へ、優しく語りかける場面が心に残ります。こども時代は、プリンのカラメルソースみたいに他の部分とはちがう特別な存在。久しぶりに”小さいわたし”と再会してみませんか?
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8歳
『本屋さんのダイアナ』 柚木 麻子
「大穴」と書いて「ダイアナ」。そんな自分の名前が大嫌いな女の子・ダイアナは、小学3年生の始業式の日、自己紹介で金色に染めた髪と自分の名前を馬鹿にされ、悔しい思いをします。しかし、そんなダイアナのコンプレックスを全て褒めてくれたのが優等生の彩子。2人は「本が好き」という共通点をきっかけに、温かな友情を育みます。
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11歳
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ
主人公は、アイルランド人の父、日本人の母とともにイギリス・ブライトンに暮らす優等生の「ぼく」。元・底辺中学を舞台に、貧富の差でギスギスしたり、自身のアイデンティティに悩んだり……と思春期の目まぐるしい日々を描くノンフィクション。作中、著者である“母ちゃん”は力強くこう語りかけます……「未来は彼らの手の中にある」と。
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18歳
『田辺聖子 十八歳の日の記録』 田辺 聖子
“18歳”という年齢に、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?……18歳の頃、作家の田辺聖子さんは、自宅の焼失、敗戦、父の死……と全てを失い、それでも小説家になるという夢だけは諦めず、軍需工場で航空機の部品を作りながら、毎日を懸命に生きていました。現代からは想像できない 、戦時下の“18歳”の日常が綴られている日記です。
20歳
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21歳
『21歳男子、過疎の山村に住むことにしました』 水柿 大地
東京で生まれ育った21歳の「大ちゃん」は、大学を休学し、見知らぬ土地である岡山県美作(みまさか)市の「地域おこし協力隊」に応募。仲間や地元の人に学びながら、成長していく姿を瑞々しく描きます。はじめての農作業、出合い仕事、盆踊りの復活、そしてカフェ経営──、新しいことを始めるバイタリティーに圧倒されます。
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27歳
『わたしたちが27歳だったころ』 with編集部/編
俳優、漫画家、宇宙飛行士、国会議員など、さまざまな職業に就く25人の女性たちが「27歳だったころ」を語ったインタビュー集。人生の中で大変な時期は何度もあるけれど、27歳もそんな年齢なのかもしれません。苦しかったり、辛かったり、楽しかったり……そうやって日々乗り越えていくしかないのは、何歳になっても同じなのかもしれませんが……。
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31歳
『三十代の初体験』 羽田 圭介
17歳で小説家デビューし、29歳で芥川賞を受賞した作家・羽田圭介。30代になった時に「身体の元気な三十代のうちにやっておいたほうが、人生を豊かにできることが色々とあるんじゃないか?」と思い、ユーチューバー、サバ漁、ラップ教室、女装……と、31歳からの4年間に挑戦した、さまざまな「初めて」の体験を綴ったエッセイ。
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32歳
『ワーカーズ・ダイジェスト』 津村 記久子
仕事の打ち合わせで出会った奈加子と重信。「佐藤」という苗字も、32歳という年齢も、そして誕生日も同じという偶然に驚きながらも、2人は別々の日常を送ります。肉体的にも精神的にも「しんどいこと」が続く32歳の1年間。会社員としてのリアルな生活、そしてささやかな幸せや悩みを奈加子と重信、交互の視点から描く小説。
40歳
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43歳
『なんでわざわざ中年体育』 角田 光代
走ることも、汗をかくことも嫌いな43歳のインドア作家である著者が、とあるスポーツ雑誌からフルマラソン出場の仕事の依頼を受け、連載の中でヨガやボルタリングなど様々なことに挑戦することに──。嫌いだと自覚しているからこそ、続くこともあると気づかせてくれる作品。巻末の「中年体育心得8カ条」は、中年以上なら頷くことばかり?
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46歳
『私がオバさんになったよ』 ジェーン・スーほか
人気コラムニスト、ジェーン・スーさんが、光浦靖子さん、中野信子さん、能町みね子さんら8人と対談。「四十にして惑わず」とも言いますが、いくつになっても惑うし、くよくよ悩むもの。でも、人生は折り返してからの方が楽しい──、と気付かせてくれます。本のタイトルの元となった「あの曲」を、今でもハミングできるあなたにオススメの一冊。
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50歳
『平場の月』 朝倉 かすみ
青砥健将は50歳。親の面倒をみるため地元に帰った後、妻子とは別れ、現在は一人暮らし。ある日、病院の売店で、中学時代にフラれた須藤葉子と35年ぶりに再会。同じく一人暮らしとなっていた葉子と、次第に「互助会」と称して二人きりで飲みにいく仲になる。しかし、間もなく葉子が大病をしていることが発覚。「平場」の切ない恋を描く作品。
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59歳
『たたかわない生き方』 大下 容子
一生懸命、がむしゃらに働いていたら、いつの間にか50歳を過ぎていました──、というのが、いまの私の偽らざる心境です。そう語るのは「争うのは、苦手」で「人生ソーシャルディスタンス」がモットーの大下容子さん。人からどう思われても、自分が納得できる生き方をするために「たたかいよりも思いやり」を。グッとくる言葉ですね。
60歳
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60歳
『牧子、還暦過ぎてチューボーに入る』 内館 牧子
2008年に急性の動脈疾患と心臓病で倒れ、13時間に及ぶ緊急手術を受けた著者。2週間生死の境をさまよい、誰もが最悪の事態を覚悟したものの、奇跡的に生還。仕事中心の生活で、料理などしようとも思わなかった著者でしたが、医師から「口から食べること」の大切さを諭され、還暦にして料理に開眼することになります。
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62歳
『ショローの女』 伊藤 比呂美
詩人・伊藤比呂美さんの「初老」ならぬ「ショロー」の日々を綴ったエッセイ。夫を看取り、子ども達は巣立ち、週1回東京の大学で教えながら、20年ぶりにカルフォルニアから熊本に拠点を移し、ひとり暮らしをはじめた著者。鉢植え80鉢、愛犬1匹・愛猫2匹、そしてコロナ禍の学生達へ惜しみなく愛を注ぐ多忙な毎日と、自身の「リアルな老い」を率直な言葉で語ります。
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73歳
『欽ちゃんの、ボクはボケない大学生。』 萩本 欽一
社会人特別入試枠で合格し、73歳の大学生となった「欽ちゃん」こと萩本欽一さん。一番前の席で授業を受け、孫のような歳の同級生と交流し、テスト勉強に四苦八苦。はじめて学食に行ったり、内定が貰えず落ちこんでいる学生を励ましたり、駅伝チームの「スペシャル・サポーター」に任命されたり……爽やかな挑戦の日々が綴られるエッセイ。
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76歳
『花ひいらぎの街角』 吉永 南央
北関東の小さな町で、珈琲と食器の店「小蔵屋」を営むお草さんを主人公にした人気シリーズの一作。秋のある日、旧友の初之輔から届いた小包がきっかけで、事件に巻き込まれることに……。人生は甘いことばかりではありません。時には苦いこともありますが、「きちんと生きること」の大切さを、お草さんの背中が優しく諭してくれます。
80歳
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86歳
『魔法のクローゼット』 くぼしま りお
「毎日のお洋服を考えるのが面倒になっちゃった」……80歳を過ぎたある日、突然50代の娘にこんなことを言ったのは『魔女の宅急便』の作者・角野栄子さん。オシャレを楽しむことが大好きだった母の思いがけない言葉にびっくり仰天した娘のくぼしまさんですが、母の洋服のコーディネートに奔走します!!
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87歳
『老いてこそデジタルを。』 若宮 正子
定年をきっかけにパソコンの楽しさにのめり込み、81歳でiPhoneアプリ「hinadan(ひな壇)」を開発。Apple・CEOのティム・クックから「世界最高齢のアプリ開発者」として紹介され、話題となった著者。今年、「バッターボックスに立つ87歳」と題したACジャパンのCMに出演するなど、年齢を飛び越えた前向きな生き方に触れてみませんか?
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91歳
『91歳。一歩一歩、また一歩。』 道場 六三郎
90年代に放送され、人気を博したTV番組「料理の鉄人」で9割の勝率を誇った「和の鉄人」道場六三郎さんは、現在91歳。卒寿を前にYouTubeチャンネル「鉄人の台所」を開設するなど、今も現役の料理人として活躍しています。“幸せ探しの名人”と自ら称する道場さんの軽やかな生き方は、若い人にもきっと響くはず。
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97歳
『死ぬまで、働く。』 池田 きぬ
太平洋戦争が激しさを増す中、17歳で看護学校に入学し、現在も「97歳の現役看護師」として働く池田きぬさんが「いつも忙しかった」半生、そして「仕事術」について語る本。75歳でケアマネジャーの資格を取り、現在の職場には88歳で自ら応募して働き始めたパワフルな“きぬさん”。「仕事はきちんとせな」などの名言が心に残ります。
100歳
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100歳
『ゆうゆうヨシ子さん ローボ百歳の日々』 嵐山 光三郎
62歳のときからはじめた母・ヨシ子さんの俳句とともに、ヨシ子さんと息子(著者)、2人の日常がゆるやかに綴られるエッセイ。70代から100歳を過ぎる現在まで、歳を重ねながら句作を続けるヨシ子さんには、何かに熱中することの大切さを教えられます。母と息子の「ふたり句会」の場面には、ほっこりさせられます。
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101歳
『ひみつの王国 評伝石井桃子』 尾崎 真理子
『くまのプーさん』、『ピーターラビットのおはなし』、『ノンちゃん雲に乗る』など、作家・翻訳者・編集者として、数多くの名作を生んだ石井桃子さんの「小さな読者たち」に生きることの喜びを与えることに捧げられた101年の生涯を描いた評伝。冒頭に掲げられた「大人になってからのあなたを支えるのは、子ども時代のあなたです」の言葉が胸に響きます。
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105歳
『最後まで、あるがまま行く』 日野原 重明
2017年に105歳で亡くなった医師・日野原重明さん。91歳から開始した新聞コラム「あるがまゝ行く」のうち、101歳から亡くなる直前の105歳に口述筆記で書かれた最終回まで、44本のコラムを掲載。老いを迎えることへの葛藤と新たな気づき、亡くなった妻に言えなかったお詫びの言葉まで、自分の心の内を素直に、そして前向きに綴ったエッセイ。
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107歳
『これでおしまい』 篠田 桃紅
昨年、107歳で死去した世界的美術家・篠田桃紅さんが残した言葉を伝える「ことば篇」と、激動の半生を写真と文章で振り返る「人生篇」の2部構成でまとめられた一冊。「私、幾つになっても色んなことを発見しているんですよ。だから飽きないでやっているのよ。」等、年齢を重ねることを前向きに捉える至言の数々に圧倒されます。