おうち派?おそと派? 本で夏を楽しもう!
今年も夏がやって来ました。暑い日が続きますが、図書館の本を読みつつ、ゆったりとした気持ちで過ごしていただければ……と思います。
さて、今回のコーナー展示では、コロナ禍が巻き起こした2大ブーム「巣ごもりブーム」と「アウトドアブーム」に注目してみました。夏のたのしみ方、人それぞれかと思います。インドア派の方も、アウトドア派の方も、図書館の本で夏をたのしみましょう!!
うちで、過ごす。
暑い夏は屋外を避け、おうちで過ごす時間が増える方も多いかな、と思います。
夏の「おうち時間」を退屈しないためのヒントが詰まった本をご紹介します。
『ジジイの片づけ』 沢野 ひとし
「ジジイ」と「片づけ」という、2つの意外な組み合わせの単語が並ぶタイトルに驚かされますが、含蓄のある言葉も多い「片づけ指南書」です。モノは長年生きるほどに増えていき、部屋をモノで溢れさせるのが喜びだったのは若い頃のこと。あの世に持っていけるのは「思い出」だけ、と語る著者のようにはなかなか悟れないものですが……
『村上T 僕の愛したTシャツたち』 村上 春樹
作家・村上春樹の「つい集まってしまったTシャツたち」が詰まった本。サーフィン、レコード屋、ビール……と、それぞれのテーマにつき4枚のTシャツが紹介され、エッセイが綴られています。
夏はやっぱりTシャツの季節。おうちで過ごすTシャツ選びのヒントにもなるかもしれません。
『おうち野菜づくり』 宮崎 大輔
庭や畑は不要、タネも買わなくても始められる「再生栽培(リボーンベジタブル、通称リボベジ)」。難しく考える必要はありません。野菜の切れ端を水に浸すのも「リボベジ」のひとつ。この本では、ミニトマトや豆苗等のお馴染みの野菜だけでなく、小玉スイカやイチゴといった難易度高めの果物まで、育て方をわかりやすく紹介。おうちで楽しい野菜づくりを始めませんか?
そとを、遊ぶ。
長引くコロナ禍の影響もあり、キャンプや登山など、自然の中で遊ぶアウトドアがブームとなっています。良い空気をいっぱい吸って、大人も外で遊んでみませんか?
『串田孫一 緑の色鉛筆』 串田 孫一
哲学者、詩人、随筆家、と多くの顔を持ち、山の芸術誌『アルプ』を創刊した串田孫一の随筆集。表題作「緑の色鉛筆」では、孫とおぼしき幼い少女から6色の異なる緑の色鉛筆をプレゼントされた著者が、山々を歩いて自然の風景を写生したかつての自分を思い返しつつ、少女が描くであろう緑の絵に思いを馳せる作品。
『バッグをザックに持ち替えて』 唯川 恵
どうして私は、山登りをするようになったのだろうー。筋肉痛と戦いながら「もう、二度と山には登らない」と決心したはずの著者が、エベレスト街道を歩くまでを描いた山岳エッセイ。山には色々な楽しみ方があり、登り方も人それぞれ。自分らしく登ることの大切さを教えてくれます。
『焚き火料理の本』 小雀 陣二
キャンプで作りたくなる絶品・焚き火料理56品のレシピ集。塊肉を豪快に使った「いかにも」な焚き火料理から、見目麗しいデザートまで。焚き火料理だけでなく、ふだんの料理のヒントにもなるかもしれません。
うちで、食べる。
暑い夏は、おうちで何を食べましょうか……サッパリ?ガッツリ?あるいは、ゴクゴク?? 夏こそ美味しい食べものについての本を並べました。どうぞご賞味下さい。
『日本ビール缶大全』 長谷川 正人
日本のビール缶デザインの歴史を通じて、昭和から平成へ、約60年間のタイムトラベルに出発しませんか?記念デザイン缶をはじめとするレトロな缶デザインには、懐かしさと同時に何故か新しさも感じるはず。「ビール好き」はもちろん「飲まない派」の方にも、楽しめる一冊。
『私のカレーを食べてください』 幸村 しゅう
一年のいつ食べても美味しいカレーですが、やっぱり夏がカレーの最も似合う季節。この本の主人公は「私にはカレーしかありません!」と言い切る、カレーに人生を捧げる少女。巻末には人気料理家による特製カレーレシピも掲載されています。読んで楽しい、作って美味しい、夏にピッタリの小説。
『ひんやりと、甘味』 阿川 佐和子ほか
アイスクリーム、蜜豆、ゼリー、ところてん、ガリガリ君といった、冷たいスイーツにまつわるエッセイをまとめた一冊。ぜひとも、真夏に読んで頂いて、美味しい「ひんやり」を堪能して頂ければ……と思います。
ただし、寝る前に読むのはオススメできません。あしからず。
そとを、旅する。
ある調査によると、コロナ禍収束後にやりたいこと1位は、国内旅行だったそうです。「その日」がやって来るまで、旅をテーマにした本を読んで、心だけでも自由に旅してみませんか?
『やっぱり食べに行こう。』 原田 マハ
多くの「アート小説」を手掛ける作家の原田マハさんが、日本、そして世界各地の旅先で出会った「思い出の食べもの」を綴ったエッセイ。マハさんの素直な「おいしい!」、「おいしい!」の連発が清々しく、読むと心が晴れる一冊です。
『わたしのもう一つの国 ブラジル、娘とふたり旅』 角野 栄子
『魔女の宅急便』シリーズなど多くの人気作を生み出し、2018年には国際アンデルセン賞を受賞した童話作家の角野栄子さん。24歳の時に移民として渡り、思い出深い日々を過ごしたブラジルへ、20年後に今度は娘のリオさんとふたり旅へ出発!「わたしのもう一つの国」を舞台とした、丁々発止のやり取りも楽しめる作品。
『旅する練習』 乗代 雄介
中学入学を前にしたサッカー少女・亜美と、小説家である叔父の「私」。コロナ禍による一斉休校で暇を持て余した2020年の春、2人は千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地まで、利根川沿いを数日かけて歩く旅に出ます。道中、サッカー少女の亜美と「私」がリフティングの練習をする場面が心に残るロード・ノベル。
うちで、読む。
『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』 岩田 徹
「一人のお客様のために、一万円分の本を選んで送る」という選書サービスで知られる北海道砂川市にある「いわた書店」。選書にあたって、店主が大切にしているのが「選書カルテ」。「人生で嬉しかったこと、苦しかったことは?」、「何歳のときの自分が好きですか?」など、その人の中にしか答えがない質問が並びます。「今のあなたにぴったりの本」を選ぶとは、その人の人生を肯定し、背中を押してくれる言葉や文章を見つけることかもしれません。
『これはただの夏』 燃え殻
小説の舞台は、2度目の東京五輪を(この時点では)2年後に控えた2018年の夏。「普通がいちばん」、「普通の大人になりなさい」と親に言われながらも、周囲に合わせることが何となく苦手な主人公「ボク」、取引先の披露宴で出会った優花、マンションのエントランスで出会い、言葉を交わすようになった小学生・明菜、そして闘病中である先輩・大関――。4人の短い「ひと夏」の切ない物語。
そとを、見つめる。
「そと」といっても、遠出だけが楽しみではありません。近所でも、空を見上げるだけでも、足元を覗くだけでも……、よ~く見つめると、いつもとは違う発見があるはず。
『雲と暮らす。 雲と出会い、雲を愛でる』 武田 康男
空に雲が浮かんでいるのは当たり前と思いがちですが、全く同じ雲が見られることは二度とありません。空にプカプカと浮かぶ雲は、すべて「今」しか見られない雲ばかり。そう考えると、空を見上げるのが楽しくなりますね。どこにいても、誰にでも、道具も要らずに楽しめる、そんな「雲見」をはじめてみませんか?
『やけに植物に詳しい僕の街のスキマ植物図鑑』 瀬尾 一樹
コンクリートの隙間やフェンス沿いなど、あらゆるところで見られる、いたって普通の「どこにでもいる存在」の植物たち、いわゆる「雑草」に注目してみませんか?この本を片手に散歩へ出掛ければ、新しい発見が楽しめ、いつものご近所の世界もグッと広がります。
『今日からはじめるばーどらいふ!』 一日一種
人生を変える出会いの相手は、人とは限りません。この本は、「ジョウビタキ」との出会いをきっかけにバードウォッチングにハマっていく主人公を通じて、バードウォッチングの楽しみ方をわかりやすく教えてくれます。ふだんの暮らしの中でも、身近な鳥が目に留まるようになると、人生が豊かになるカモ!?