賞タイムへようこそ。
「文学賞」と聞いて、まず思い浮かぶ賞といえば、芥川賞、直木賞、本屋大賞・・・でしょうか?実はあまり知られていないのですが、
日本にはこの3賞以外に200以上の文学賞があるといわれています。今回は、多彩な文学賞受賞作品を過去数年にさかのぼって集めました。
今年大活躍した、あのメジャーリーガーにあやかって「賞タイム」と名付けてご紹介します。傑作の数々をどうぞお楽しみ下さい。
毎年、受賞の決定がニュースで大きく取り上げられる文学賞といえば、「直木賞」、「芥川賞」、「本屋大賞」の3つの賞です。
今回は”ビッグ3″と題して、近年の作品を集めてみました。
毎年話題となる”文学賞・ビッグ3″に比べると知名度は低いものの、日本の文壇にはまだまだ沢山の文学賞があります。
ここでは、文豪の名を冠した文学賞を過去5年に遡って集めました。文豪についても少しだけご紹介します。
文学賞の数は、10年前と比べて1割以上増えたといわれています。背景にあるのは、本の売上が下がっていること。
文学賞で話題を集め、本に興味を持つ人を増やす……
そんな戦略もあるそうですが、面白い本と出会うきっかけとして「文学賞」を楽しんでみませんか?
正式名称は「直木三十五賞」。文藝春秋の創業者・菊池寛が、友人である直木三十五の名を記念し、芥川賞と同時に昭和10年に制定。
新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)の中から、最も優秀な作品に贈られる賞。
受賞作 | 受賞者 | |
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月の満ち欠け | 佐藤 正午 | |
銀河鉄道の父 | 門井 慶喜 | |
ファーストラヴ | 島本 理生 | |
宝島 | 真藤 順丈 | |
渦 妹背山婦女庭訓魂結び | 大島 真寿美 | |
熱源 | 川越 宗一 | |
少年と犬 | 馳 星周 | |
心淋し川 | 西條 奈加 | |
星落ちて、なお | 澤田 瞳子 | |
テスカトリポカ | 佐藤 究 |
正式名称は「芥川龍之介賞」。文藝春秋の創業者・菊池寛が、友人である芥川龍之介の名を記念し、直木賞と同時に昭和10年に制定。
雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品の中から、最も優秀な作品に贈られる賞。
受賞作 | 受賞者 | |
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影裏 | 沼田 真佑 | |
おらおらでひとりいぐも | 若竹 千佐子 | |
百年泥 | 石井 遊佳 | |
送り火 | 高橋 弘希 | |
1R1分34秒 | 町屋 良平 | |
ニムロッド | 上田 岳弘 | |
むらさきのスカートの女 | 今村 夏 | |
背高泡立草 | 古川 真人 | |
破局 | 遠野 遥 | |
首里の馬 | 高山 羽根子 | |
推し、燃ゆ | 宇佐見 りん | |
彼岸花が咲く島 | 李 琴峰 | |
貝に続く場所にて | 石沢 麻依 |
正式名称は「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 本屋大賞」。書店員の投票のみで決定する賞で、受賞作がベストセラーとなることも多い。
1位 | 『そして、バトンは渡された』 瀬尾 まいこ | |
2位 | 『ひと』 小野寺 史宜 | |
3位 | 『ベルリンは晴れているか』 深緑 野分 | |
翻訳 | (未所蔵)『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ | |
発掘 | 『サスツルギの亡霊』 神山 裕右 | |
NF | 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ | |
1位 | 『流浪の月』 凪良 ゆう | |
2位 | 『ライオンのおやつ』 小川 糸 | |
3位 | 『線は、僕を描く』 砥上 裕將 | |
翻訳 | (未所蔵)『アーモンド』 ソン・ウォンピョン | |
発掘 | (未所蔵)『無理難題が多すぎる』 土屋 賢二 | |
NF | 『エンド・オブ・ライフ』 佐々 涼子 | |
1位 | 『52ヘルツのクジラたち』 町田 そのこ | |
2位 | 『お探し物は図書室まで』 青山 美智子 | |
3位 | 『犬がいた季節』 伊吹 有喜 | |
翻訳 | 『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ | 発掘 | 『「ない仕事」の作り方』 みうら じゅん |
NF | (未所蔵)『海をあげる』 上間 陽子 |
『宮本武蔵』、『新・平家物語』などの大衆小説で「国民文学作家」と親しまれた。
受賞作 | 受賞者 | |
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(未所蔵)大雪物語 | 藤田 宜永 | |
守教(上・下) | 帚木蓬生 | |
鏡の背面 | 篠田 節子 | |
該当作なし | - | |
風よあらしよ | 村山 由佳 | |
『眠狂四郎無頼控』などが人気を博し、剣豪小説の一大ブームを巻き起こした。
受賞作 | 受賞者 | |
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日蝕えつきる | 花村 萬月 | |
雪の階 | 奥泉 光 | |
彼女は頭が悪いから | 姫野 カオルコ | |
逆ソクラテス | 伊坂 幸太郎 | |
類 | 朝井 まかて | |
正欲 | 朝井 リョウ | |
『仮面の告白』、『金閣寺』、『潮騒』などで知られる戦後日本を代表する作家。
受賞作 | 受賞者 | |
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カブールの園 | 宮内 悠介 | |
無限の玄 | 古谷田 奈月 | |
いかれころ | 三国 美千子 | |
かか | 宇佐見 りん | |
旅する練習 | 乗代 雄介 | |
『樅ノ木は残った』、『さぶ』など、人情味あふれる時代小説の名手として人気を博す。
受賞作 | 受賞者 | |
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明るい夜に出かけて | 佐藤 多佳子 | |
(未所蔵)ゲームの王国 | 小川 哲 | |
平場の月 | 朝倉 かすみ | |
ザ・ロイヤルファミリー | 早見 和真 | |
テスカトリポカ | 佐藤 究 | |
『八甲田山死の彷徨』、『孤高の人』など、人間の本質を掘り下げた作品で知られる。
受賞作 | 受賞者 | |
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リーチ先生 | 原田 マハ | |
葵の残葉 | 奥山 景布子 | |
月まで三キロ | 伊与原 新 | |
土に贖う | 早見 和真 | |
商う狼 江戸商人杉本茂十郎 | 永井 紗耶子 | |
時代の風潮を裁断する評論で長くマスコミ界で活躍したジャーナリスト。
受賞作 | 受賞者 | |
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小倉昌男 祈りと経営 | 森 健 | |
悪だくみ | 森 功 | 選べなかった命 | 河合 香織 |
(未所蔵)八九六四 | 安田 峰俊 | |
チョンキンマンションのボスは知っている | 小川 さやか | |
女帝小池百合子 | 石井 妙子 | |
吉川英治文学新人賞、谷崎潤一郎賞、司馬遼太郎賞、大佛次郎賞、開高健ノンフィクション賞も展示中。
“若者目線” で大人も楽しむ。
“読書教育”の一環として、フランスで行われている「高校生ゴンクール賞」の日本版を目指し、2014年に創設。全国の高校生たちが議論を戦わせ、直近一年間の直木賞候補作から受賞作を決定する。近年、SNSでも話題となる。
受賞作 | 受賞者 | |
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また、桜の国で | 須賀 しのぶ | |
くちなし | 彩瀬 まる | |
熱帯 | 森見 登美彦 | |
渦 妹背山婦女庭訓魂結び | 大島 真寿美 | |
雲を紡ぐ | 伊吹 有喜 | |
オルタネート | 加藤 シゲアキ | |
“ご当地文学賞” を楽しむ。
泉鏡花生誕100周年を記念し、1973年に出身地の金沢市で制定。泉鏡花の文学世界に通ずるロマンの薫り高い作品を選定。
ご当地文学賞(地方自治体主催の文学賞)としては、全国に先駆けた存在として知られる。
受賞作 | 受賞者 | |
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最愛の子ども | 松浦 理英子 | |
飛ぶ孔雀 | 山尾 悠子 | |
ひよこ太陽 | 田中 慎弥 | |
業平 小説伊勢物語 | 高樹 のぶ子 | |
姉の島 | 村田 喜代子 | |
“推し” の一冊を楽しむ。
“カリスマ書店員”として知られる新井見枝香さんが、一人で勝手に”推したい”と思う本を選定し、芥川・直木賞と同じ日に発表する異色の文学賞。
本好きの心をくすぐる一冊と出会える、と人気を集めている。
受賞作 | 受賞者 | |
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ののはな通信 | 三浦 しをん | |
(未所蔵)ダルちゃん | はるな 檸檬 | |
三つ編み | レティシア・コロンバニ | |
ライオンのおやつ | 小川 糸 | |
彼女たちの部屋 | レティシア・コロンバニ | |
俺と師匠とブルーボーイとストリッパー | 桜木 紫乃 | |
“ジャンル特化” を楽しむ。
1年間に刊行されたすべての新書の中から、有識者、書店員、各社新書編集部(自社作品の投票は不可)、新聞記者らの投票をもとに、その年の「最高の一冊」を選出。「新書」というジャンルに特化した文学賞として注目される。
受賞作 | 受賞者 | |
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言ってはいけない | 橘 玲 | |
バッタを倒しにアフリカへ(児童書版) | 前野ウルド浩太郎 | |
日本軍兵士 | 吉田 裕 | |
独ソ戦 | 大木 毅 | |
人新世の「資本論」 | 斎藤 幸平 | |
野間文芸賞、ビジネス書大賞、このミステリーがすごい!、日本推理作家協会賞、中山義秀文学賞、島清恋愛文学賞も展示中。