江戸時代以降、「津島神社」やその祭礼「尾張津島天王祭」を描いた作品が多く生み出されました。とりわけ江戸中期に津島の団扇(うちわ)屋が絵団扇として版画を加工販売すると、これが土産物として大変な人気を集めます。讃岐・大和とならぶ絵団扇の名品として大いに賞賛されました。
明治後期、津島では団扇業の衰退に伴い版画制作も衰え、作品は散逸しました。ただ、江戸から明治にかけて、津島のような地方の町で、絵師・彫師・摺師などを必要とする版画制作が隆盛したのは全国的にも珍しいとされています。
こうした歴史的経緯を踏まえ、津島市立図書館では江戸・明治期の郷土版画を網羅的に収集し、今回、図版資料集『津島の浮世絵版画』を刊行しました。地方版画史の研究はもとより、津島の歴史文化や観光業を考える一助になれば幸甚です。
内容構成 | 掲載画数 |
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第1部:参考図版 | 7点 |
第2部:江戸時代の津島版画 | 38点 |
第3部:明治時代の津島版画 | 53点 |
- 掲載画数:98点
- ページ数:100ページ(カラー)
- サイズ:A4版(短辺横綴)
- 発行日:令和元年(2019)5月1日
- 編著者:園田俊介
- 発行:津島市立図書館、NPO法人まちづくり津島
- 印刷所:双光エシックス株式会社