2024年10月13日の図書館だより

2024年10月13日(日)

朝晩めっきり涼しく、いや一気に肌寒くなってきましたね。寒いのは苦手ですが、この時期になると私の好きなリンゴ「秋映(あきばえ)」がお店に並ぶのが嬉しいです。「秋映」は黒に近い濃い赤色がお店でも目立つリンゴですが、何よりも素晴らしいのが歯ごたえ。「シャキッとした」とよく形容されていますが、個人的には「ゴリッとした」が近いように感じます。ほんの一時しか出回らないので、お店で見つけては購入し、食後のデザートとして美味しく頂いています。「秋映」が出ると、そろそろ「シナノスイート」かな?・・・と、リンゴ好きにとって今はウキウキする季節です。

先週のお休みの日、名古屋市美術館で開催されている「民藝 MINGEI 美は暮らしのなかにある」展(以下、「民藝展」と略します)を観に行ってきました。約100年前に思想家・柳宗悦が説いた、日々の暮らしにある美を見つめ、無名の工人たちの手によって生まれた美を慈しむ「民藝」。今回の民藝展は「衣・食・住」をテーマに紐解き、暮らしのなかで実際に用いられてきた民藝の品々を展示する、というもの。去年の夏から大阪、いわき、広島、東京、富山・・・とぐるりと巡回してきて、今月になって名古屋での開催となったのです。

実は、毎週楽しみに聴いているラジオ番組のロケが民藝展(東京会場)で行われたのですが、いかんせんラジオなので2人が何を観て喋っているのか、よく分からないままでモヤモヤしていたのです。数か月遅れで名古屋でも開催されると知り、答え合わせみたいな気分で観に行くことにしたのです。

ということで「5枚1組でいくらですか?」と、ラジオ番組でボケていたのはこのお皿かな?・・・とか、展示以外の部分も想像しながら、楽しく鑑賞してきました。それにしても、やはり美術展は生で観るのが一番ですね。刺子の刺繍ひとつひとつのぷっくり感や、鶏卵を入れる網袋のほっこりした空気は、実際に作品を見たからこそ伝わるものだと思いました。また、現在作られている民藝の品々や産地についても分かりやすく紹介されていて、こちらも面白かったです。作り手の方ひとりひとりの努力があって、今もこうして残っているんですね。有難いことです。

昔から、事前に調べていたわけでもないのに旅先には何故か民藝館があることが多くて、松本、大阪、山崎、倉敷・・・と、気が付けば全国各地の民藝館をお邪魔していました。今回もラジオ番組きっかけなので、熱心な民藝ファンとはとても言えませんが、民藝館がある町はどの町も良い町だなー、と心から思います。いつか、益子や富山や鳥取や熊本の民藝館へも出掛けてみたいですね。

『りんごだんだん』小川忠博/写真と文・・・真っ赤な美味しそうなりんごを食器棚にしまっておくと、どうなるでしょう?・・・と、1年間観察し続けた写真絵本です。りんご好きの私としては「見ていないで、早く食べて!」とつい言いたくなってしまいますが・・・。
『柳宗悦 民藝美しさをもとめて(別冊太陽)』日本民藝館/監修・・・柳宗悦の没後60年を記念し、日本民藝館所蔵の名品を中心に紹介する本です。別冊太陽の本は写真が大きく掲載されていて、つい見入ってしまいますね。
『リーチ先生』原田マハ/著・・・イギリス人陶芸家バーナード・リーチの生涯を描いた小説です。柳宗悦ら、大正時代に活躍した白樺派の人々との交流の場面が心に残ります。

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