ここのところ朝晩めっきり涼しくなってきたので過ごしやすいのは助かるのですが、本当に雨の日が多いですね。夏の終わりって、こんな感じだったか??・・・と思いつつ、すっきりしない空と洗濯物をうらめしい思いで見つめています。昨夜は「中秋の名月」でしたが、お天気に恵まれていたのでしょうかね??
さて、今回こそコーナー9「人生100年を生きる。」の話を。コーナーの詳しい内容についてはこちらを見て頂くのが一番かと思いますので、この「図書館だより」では少しだけ裏話を書きます。
どんなテーマでコーナーを作るのかを考えるのは毎回悩みでもあり、かつ楽しみでもあるのですが、今回のコーナーを作るヒントになったのは、最近「〇〇歳」と年齢が入った書名の本が多く出版されているなぁ、と気づいたことです。お、これはもしかしたら「年齢」をテーマにしたコーナーを作ることが出来るのでは?・・・と思い、年齢毎のブックリストを作り始めました。その後は、展示POPの構成上、人生を6つの世代に区切らなくてはならないことに迷ったほかは、わりと順調に作業が進んだように思います。
もうひとつ、今回のコーナーを作るヒントになったのは今年1月に96歳で亡くなった私の祖母の存在でした(先日亡くなられた英国のエリザベス女王と同い年です!)。祖母が亡くなった頃、人って100年くらい生きると世の中がどんな風に見えるんだろう・・・と、よく考えていました。今でもその答えはさっぱり見つかりませんが、平凡な一生を過ごす人なんて、この世には1人もいないんじゃないかなぁ・・・と思います。
私の好きな作家の北村薫さんは「小説が書かれ読まれるのは、人生がただ一度であることへの抗議からだと思います」と書かれています。「何かを学ぶため」に本を読むだけではない、本の持つ豊かな価値をやわらかな言葉で表現されていて、とても素敵だなと思います。ただ一度しかない人生ですが、本を読むとたくさんの人生を体感できて面白いですよね。人の数だけある人生を映す本を探して頂ければ・・・と思います。
そんなワケで、コーナー9「人生100年を読む。」は11月の特別整理休館に入る頃までは展開していますので、どうぞ宜しくお願いします。あ、書き忘れるところでした。コーナーのポスターでは「傘をさしていた女の子が、ステッキをつくお年寄りになるまで」をデザインしています。Y先輩、いつもながら丁寧に作って頂き、有難うございました。
・『月の満ちかけ絵本』大枝 史郎/文・佐藤 みき/絵・・・月の満ち欠けのしくみが一目でわかる児童書。わかりやすく、詳しい解説は子どもだけが読むにはもったいないかも?
・『ザ・クイーン エリザベス女王とイギリスが歩んだ一〇〇年』マシュー・デニソン/著・・・先日亡くなられたエリザベス女王の伝記で今年出版された本。11月の特別整理休館明けには、うまくいけば「追悼2022」と題した追悼特集を組む予定なので、こちらでエリザベス女王の本も紹介したいと思っています。
・『空飛ぶ馬』北村 薫/著・・・北村薫さんのデビュー作で、私が紹介した言葉はこの本の裏表紙に書かれていました。今から30年以上前、1989年にに出版された本ですが、何度読んでも新鮮な気持ちになります。当時の大学生って「大人」だなぁ、と思います。