津島市立図書館では、地域の歴史や情報がわかる「郷土資料」を積極的に収集しています。なかでも写真資料については、当時の状況をわかりやすく理解できるため、得られた情報をホームページや写真集として発信しています。 今年は伊勢湾台風の被害から60年。当時の状況と、これからの対策を考える一助として、津島を中心とした台風被害(浸水)の写真を紹介します。
【伊勢湾台風の概要:津島市】
昭和34年(1959)9月26日夕方、伊勢湾台風は930mbという極度の低気圧を保ったまま紀伊半島に上陸。そのまま北上し、海部津島地域へは午後9時20分頃に最接近しました。同刻、名古屋では最大瞬間風速45.7mを記録。樹木はもちろん、電柱、鉄柱まで倒れる猛烈な暴風となりました。 一方、伊勢湾沿岸では約4mもの高潮となり、午後11時頃、ついに「万里の長城」とも称えられた湾岸堤防が決壊。27日未明には海部南部・中部地域にも海水が流入し始めました。同日午前中、台風一過の秋晴の中、海水は津島市・佐織町の日光川西部地域まで静かに流入。以後、11月下旬まで約2ヶ月間、深刻な水害が続きました。 なお、海部地域の浸水率は、飛島村100%、十四山村99.8%、蟹江町98.2%、弥富町97.0%、津島市94.0%、佐屋町83.8%、七宝村61.4%と続きます。津島市の排水が完了したのは、神守地区が10月15日、旧津島市区が11月20日、神島田地区が11月30日のこと。 伊勢湾台風とその後の水害は、津島市を含む海部地域が「もはや自然排水できないほど沈下している」ことを痛感する災害となりました。